初日の出を拝むため一人で登頂した

773 : 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ [sage] 投稿日:2011/02/22(火) 20:30:08.71 ID:R5Igb54t0 [2/3回(PC)]
山仲間の話。 

初日の出を拝むため一人で登頂した。 
仲間くらいしか行かない峰で、その年は彼以外のメンバーが都合付かなかったとか。 
日の出を待つ間、独逸軍御用達のポケットコンロを引っ張り出し、湯を沸かす。 
甘酒を拵えていると、横手から声が聞こえた。 

 面白い五徳だの 

まじまじと闇の奥を見やったが、何も動く影はない。 
ただ怖い感じは受けなかった。純粋に面白がっているような、そんな雰囲気。 
愛用の品が受けた様子に気を良くし、甘酒を紙コップに入れて、ついでに缶詰の 
パンも付けてから空き地の外れに置いておく。 
お裾分け、といった気分だったらしい。 

数時間後、御来光に手を合わせてから、放置した酒とパンを確認しに行く。 
そこには空の紙コップだけが丁寧に置かれていた。 
同好の士を見つけたような心地になり、上機嫌で山を下りたのだという。